結納と顔合わせ食事会の違い
略式結納とは?
略式結納は、伝統的な結納の形式を簡略化したもので、両家が料亭やホテルなどに集まり、その場で結納品や受書を交換するスタイルです。仲人の有無は問わず、進行は親や主役のふたりが行うこともあります。
- 目的:カジュアルな婚約の儀式
- 準備物:結納金、結納品、受書
- 進行:結納品の交換、受書の授受
- 費用:会場費用、結納品代など
顔合わせ食事会とは?
顔合わせ食事会は、両家が初めて正式に顔を合わせる機会として、リラックスした雰囲気で行われることが多いです。結納のような形式ばった儀式は行わず、食事を楽しみながら親睦を深めることが目的です。
- 目的:両家の親睦・交流
- 準備物:手土産、会場の予約
- 進行:食事と歓談、自己紹介
- 費用:会場費用、食事代など
略式結納と顔合わせ食事会の違い
略式結納は婚約のけじめを重視し、カジュアルでありながら正式な儀式を行います。一方、顔合わせ食事会は両家の親睦を深めることを主目的としており、リラックスした雰囲気で行われます。
- 略式結納:婚約の儀式、けじめを重視
- 顔合わせ食事会:両家の親睦・交流を重視
リラックスした雰囲気を求めるなら顔合わせ食事会、けじめを大事にしたいなら略式結納を選ぶと良いでしょう。両家の価値観や希望に応じて最適な形式を選びましょう。
略式結納のメリット・デメリット
メリット
- 伝統を尊重:結納の伝統を守りつつ、現代的なアレンジができる。
- 両家のけじめ:正式な婚約の場として両家のけじめがつく。
- 和やかな雰囲気:略式なので堅苦しさが抑えられ、和やかな雰囲気で行える。
- カスタマイズ可能:仲人の有無や進行内容を自由にアレンジできる。
デメリット
- 費用がかかる:会場費用や結納品代など、一定の費用が必要。
- 準備が必要:結納品の準備や進行の手配など、手間がかかる。
- 形式にこだわりすぎると堅苦しい:簡略化したとはいえ、形式にこだわりすぎると堅苦しさが出てしまうことも。
まとめ
結納と顔合わせ食事会は、目的や進行内容が異なるため、両家の希望や価値観に応じて選択することが大切です。略式結納はけじめを重視したカジュアルな儀式であり、顔合わせ食事会は親睦を深めるためのリラックスした場です。それぞれのメリット・デメリットを理解し、ふたりにとって最適な形式を選びましょう。両家が納得できる形で、素晴らしい結婚準備を進めてください。
補足情報:
- 結納品の種類:結納金、酒肴料、松魚料など。
- 顔合わせ食事会の進行:自己紹介、歓談、婚約記念品の交換など
結納で得られる4つのメリット
略式結納から得られるメリットは、次の4つです。
- パートナーとの婚約を確実にできる
- 両家の結びつきを強められる
- 日本の伝統を感じられる
- 親に喜ばれる
パートナーとの婚約を確実にできる
略式結納を行うことで、口約束だったパートナーとの婚約を正式なものにすることができます。結納は、両家がふたりの婚約を認める儀式であり、「婚約のしるし」として結納品や結納金のやり取りが行われます。これにより、婚約が正式に成立します。また、結納を通じて結婚を実感し、ふたりの結婚に対する気持ちが高まる効果も期待できます。
両家の結びつきを強められる
略式結納を行う際には、事前に両家での打ち合わせや相談が必要になります。これにより、両家のコミュニケーションが増え、結納の準備を通じて両家の絆が深まります。結納の準備には時間と労力がかかりますが、それが両家の関係を強化する大きな機会となります。
日本の伝統を感じられる
略式結納であっても、結納そのものは日本の伝統的な儀式です。これを行うことで、日本の文化に触れられる貴重な経験となります。両家にとっても、結納は素晴らしい思い出として心に残るでしょう。
親に喜ばれる
略式結納を行う理由のひとつに「親の希望」があります。現在では結納を行わずに顔合わせ食事会で済ませるケースが増えていますが、結納を希望する親にとっては、結納が行われることが非常にうれしいと感じることが多いです。
結納で生じる3つのデメリット
結納には多くのメリットがある一方で、デメリットも存在します。ここでは、略式結納のデメリットとして挙げられる以下の3点について詳しく説明します。
- 準備物がたくさんある
- 費用負担が大きい
- 進行が難しい
準備物がたくさんある
結納を行う際には、略式であっても結納品や結納金、結納返しなど、多くの準備物が必要です。これらの品物を忙しい結婚準備期間中に自力でそろえるのは大変です。スムーズに進めるためには、市販の「結納セット」や会場が提供する「結納プラン」を活用するのがおすすめです。誰かの助けを借りて準備を進めることで、結納を賢くスムーズに行うことができます。
費用負担が大きい
略式結納であっても、多額の費用がかかります。例えば、結納金の相場は100万円前後と言われています。それに加え、結納品、結納会場費、食事代、結納返しなど、さまざまな費用が必要です。結納と結婚式を同じ会場で行うことで、単品で支払うよりも費用を抑えられ、準備も楽になるケースがあるので、一考の価値があります。
進行が難しい
結納の進行は独特であり、略式であっても慣れない言葉やマナーに「難しい」と感じる人は少なくありません。結納品の飾り付けや当日の座席配置についても、間違いがあると相手に失礼になる可能性があり、事前のチェックが欠かせません。悩み始めるとキリがない結納ですが、結納専門店や結納プランを提供している会場であれば、進行をスムーズにする手配をしてくれる可能性が高いです。プロのアドバイスを参考にしながら準備することで、安心して当日を迎えることができるでしょう。
結納の準備
結納の準備について、ここでは主流となっている「略式結納」をベースにご説明します。
参加者
結納には、本人同士と両家の親が参加することが一般的です。さらに、兄弟姉妹や祖父母、仲人が参加するケースもあります。結納は両家の絆を深めるための「縁起事」であるため、ふたりと親しい関係者を招くことが大切です。
服装
結納の際の服装は、正礼装または準礼装が基本です。男性はブラックスーツ、女性は振袖(母親は留袖)やフォーマルなワンピースが推奨されます。結納を行う会場や雰囲気に応じて服装を決めるのも一つの方法です。両家の装いが一致するよう、事前に相談して格をそろえることが重要です。
日取りの決め方
結納の日取りは、結婚式の3~6カ月前を目安に設定します。大安、友引、先勝といった縁起の良い日を選ぶのがおすすめです。日本では「祝い事は午前中に行うのがよい」とされる習慣もありますが、参加者全員のスケジュールを調整するのが最優先です。日取りが決まらない場合は、「六輝」や「天赦日」「一粒万倍日」といった暦の良い日を候補に挙げて検討すると良いでしょう。
場所
略式結納に適した場所としては、以下の4カ所が挙げられます。
かつては、男性側が女性側の自宅に出向いて結納を行うのが一般的でしたが、現在では両家にとって負担の少ない場所を選ぶのが主流です。格式のある場所で行うことで雰囲気も高まり、特別感を演出できます。
実家同士が近い場合は地元の料亭、離れている場合は中間地点やふたりの住む地域での開催を検討すると良いでしょう。個室の有無や提供される料理のジャンルも事前に確認することが大切です。「結納プラン」が用意されている場所を選ぶと、準備や進行の不安を軽減でき、安心して当日を迎えられます。
準備物
略式結納を行うにあたっては、しっかりとした事前準備が必要です。当日までに用意するものをパートナーと確認し、万全の準備を整えましょう。
準備物一覧
- 結納品
- 目録・受書
- 結納金(御帯料、小袖料)
- 結納返し(御袴料)
- 婚約記念品
- 手土産
結納品
結納品は縁起物で揃え、基本的には奇数の品数にします(9品、7品、5品)。最近では結納の簡略化が進んでおり、3品程度にするケースも多く見られます。寿留女(するめ)、子生婦(こんぶ)、友白髪(ともしらが)などが代表的な結納品です。
目録・受書
目録は、結納品のリストを箇条書きにし、日付や名前、「結納の品をお納めください」といった文言を添えたものです。受書は、その結納品を確かに受け取ったことを証明する受領書のようなものです。
結納金
結納金とは、男性側から女性側へ贈る結婚準備金のことです。御帯料(おんおびりょう)や小袖料(こそでりょう)とも呼ばれます。
結納返し
結納返しは、結納金のうち1~5割程度の金額を包んで男性側にお返しするものです。地域によって相場は異なりますが、「御袴料」(おんはかまりょう)とも呼ばれます。最近では現金ではなく、腕時計やスーツなどの品物を贈るケースも増えています。
婚約記念品
婚約記念品は、結婚の約束を示す証として贈るものです。代表的なものとして、男性から女性へ贈る婚約指輪があります。
手土産
手土産は、相手への心遣いとして用意するのが良いです。金額は3,000円~5,000円程度が妥当で、縁起の良い物やお菓子を持参するケースが多いです。
その他の準備物
男性側が女性側へ贈るものとして「酒肴料」(しゅこうりょう)を包むこともあります。この際の金額は、結納金の10%程度に設定すると良いでしょう。
準備物の品目数や内容は地域によって異なるため、親の意向を取り入れながら検討することが大切です。また、結納プランを提供する会場を利用すれば、スタッフがこれらの品物を準備し、飾り付けまで行ってくれるため、安心して当日を迎えることができます。
結納の準備は、両家の絆を深める大切なステップです。略式結納の場合でも、必要な準備物をしっかりと整えることで、儀式をスムーズに進めることができます。両家の意向を尊重しながら、結納の準備を進めましょう。結納は、ふたりの結婚を確かなものにし、両家の結びつきを強める重要な儀式です。この記事を参考に、円滑な結納の準備を行い、素晴らしい一日を迎えてください。
結納当日の流れ
結納の準備が整ったら、いよいよ当日を迎えます。結納は以下の流れに沿って進められるため、事前に確認しておきましょう。
【略式結納の流れ】
- 結納品の飾り付け、両家着席
- はじめの挨拶
- 男性側から結納品を納める
- 女性側が「受書」を渡す
- 女性側から「結納品」を納める(結納返し)
- 男性側が「受書」を渡す
- 婚約記念品の披露
- 締めの挨拶
- 会食
地域によっては、5と6を省略するケースもあります。また、男性が苗字を変える「婿入り」の場合は、3から6の流れが逆になる点に注意してください。
略式結納の進行は、通常は男性本人もしくは男性側の父親が担当します。進行には「口上(こうじょう)」という決まり文句も含まれるため、事前に確認しておくとスムーズです。また、婚約指輪や時計などの「婚約記念品」を終盤で披露すると、和やかな雰囲気を演出できます。
結納返しの方法
結納には、女性側から男性側への「結納返し」が含まれます。これは結納品と結納金に対するお礼であり、「こちらこそよろしくお願いします」という意味が込められています。
結納返しで包む現金は「袴料(はかまりょう)」と呼ばれ、袴料のみ返す場合もあれば、袴料と品物、または品物のみ返す場合もあります。関西では、結納返しを行わないケースもあるため、事前に相手方の意向を確認しましょう。いずれにしても、結納品と結納金より控えめな品や金額に留めるのがマナーです。
結納を成功させるために
現在の結納は「略式結納」が主流ですが、簡略化された形式であっても費用や事前準備に手間がかかるのは避けられません。事前準備に悩むときは、「結納セット」や「結納プラン」を提供する会場をうまく活用すると、賢くスムーズに進めることができます。
結納をふたりと両家の大切な思い出にするためにも、両家の格を合わせつつ、納得できる選択をして準備を進めましょう。パートナーとしっかり連絡を取り合いながら、結納の準備までも大切な時間として過ごしてください。
まとめ
結納は結婚に向けた大切なステップであり、両家の絆を深める重要な儀式です。略式結納の流れを事前に確認し、準備物を整えて、当日を迎えましょう。結納返しの方法も地域や両家の意向に応じて適切に対応し、両家の関係を円滑に進めることが大切です。結納を成功させるためには、両家の意見を尊重しながら、準備を進めていくことが重要です。結納の準備を通じて、ふたりの絆をさらに深め、素晴らしい結婚生活のスタートを切りましょう。